進行・再発乳がんのチーム医療に関する学び(TEPPICH-ABC)
進行・再発乳がん(ABC)は依然として治癒が困難な病態ですが、薬物療法の進歩に伴い、より長い生存期間が期待されるようになりました。新たな治療法の選択肢が増える中、患者さんと医療者が共に医療上の意思決定を行うShared Decision Making(SDM)が推奨されています(日本乳癌学会乳癌診療ガイドライン)。
JBCRGでは、進行・再発乳がん患者さんの治療環境改善のためのチーム養成プログラムの開発を目的として、TEPPICH-ABC(TEam-develoPing Program to Implement Continuous Holistic care for patients with Advanced Breast Cancer)という名のプロジェクトを立ち上げました。
本プロジェクトは、ファイザー株式会社の医学教育助成を受け、進行・再発乳がん治療に関するギャップの解消とケアの向上のために以下を実施することを目的としています。
1. ABCの特性、患者さんのニーズを学ぶ(Web上・動画コンテンツによる学びの機会の提供)
進行・再発乳がんはどのような特徴があるのか、また、患者さんが自分の生活にフィットする治療を選択するにあたってキーとなる事柄を学びます。プログラム参加前に、事前視聴を推奨します。
2. ABCのケアの現状及び課題を洗い出す(アンケート調査研究の実施)
よりよいケアの検討に生かすために、進行・再発乳がんにおいて医療チームが感じている地域・組織・個人の課題を洗い出します。
3. ABCのケアのあり方について地域・多職種で検討する(教育プログラム・ワークショップの実施)
患者さんの治療に携わる地域・組織・個人が、進行・再発乳がんと患者さんの置かれている環境をギャップなく理解し、患者さんの意思決定を支援し、納得のいく治療選択ができるために必要なチーム作りを検討します。
TEPPICH(てぴっひ)とは、ドイツ語で「カーペット」を意味する単語です。
進行・再発乳がんと診断された方とともにその治療に携わるすべての関係者がひとつのカーペットの上に集まり、対話を通して患者さんの願う最適な治療やケアについて話し合う、そんな魔法の絨毯をイメージしたプロジェクト名としました。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
1. ABCの特性、患者さんのニーズを学ぶ
ABCアドボケートカレッジで「進行・再発乳がん」を学ぶ
TEPPICH-ABCプロジェクトでは、キャンサー・ソリューションズ株式会社(※1)の「ABCプロジェクト」とのコラボレーションにより、「ABCアドボケートカレッジ」で進行・再発乳がんについて学んでいただくことを推奨しています。
「ABCアドボケートカレッジ」では、ABCの全体像、治療戦略、サバイバーシップ、研究や患者市民参画等、豊富な動画コンテンツにより、ABCに関する学びが可能です。なお、動画の視聴にはABCプロジェクトへ受講申し込み(アカウント登録)が必要です。
※1:キャンサー・ソリューションズ株式会社は乳がん体験者の桜井なおみが代表を務める、「体験を社会に還元する」をミッションにする患者株式会社です。