研究を知る

〜臨床研究のSTORY〜

JBCRG-C07 (REIWA study)試験

増田 紘子

昭和大学 乳腺外科

増田 紘子

JBCRG-C07(REIWA study)について

 

みなさま、初めまして。東北大学乳腺内分泌外科の多田寛先生と一緒に、「JBCRG-C07(REIWA study):転移・再発乳癌における遺伝子パネル検査FoundationOne®CDxの治療方針決定に与える影響を検討する観察研究」の責任医師をさせていただいています、昭和大学乳腺外科の増田紘子と申します。

 

研究の概要は多田先生にお任せするとして、私たちがどうして、今、この研究をすべきだと考えているのか?という点についてお話したいと思います。

 

近年、日本の患者さんも受けられるようになった「がん遺伝子パネル検査」の先に期待されるのは、新薬や標準治療を超えた、新たな治療法の確立です。

 

この研究を通じて、私たちが解明したい、または、何かヒントとなるようなことがわかればと思っていることは、例えば、この「がん遺伝子パネル検査(この研究ではFoundationOne®CDxという検査を対象にしています)」が実際の患者さんの治療方針の選択や決定においてどのくらい有意義な検査であるのか?それは、「がん遺伝子パネル検査」の先進国である、アメリカやヨーロッパと比較して同等であるのか?検査を受ければ、日本全国どこでも同じようなメリットを患者さんに還元できるのか?または、どういった医療機関で積極的に検査を進めていくべきなのか?検査体制や、検査後の患者さんへのサポート体制において改善点があるのであれば、私たち医師は次にどんな行動を起こすべきなのか?・・・等のことです。

 

日本では始まったばかりのこの「がん遺伝子パネル検査」を、今後より良い形で患者さんに受けていただき、検査を受けたメリットを還元したい。

そのために現状を把握し、研究データを用いて企業や行政に働きかけ、日本での新薬研究、治験の促進を試みたり、臨床環境の改善などをJBCRGの先生方と一緒に考えていく、そのための研究であると考えています。

 

研究にご参加いただくことで、患者さん皆さんの経験をぜひ、より多くの医師と共有いただき、次に繋がる貴重な力にさせていただければ幸いです。

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